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歌詞は世につれ、世は歌詞につれ

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新しい歌を聴く時に、メロディよりも歌詞が気になり始めたのはいつからだろう。歌詞がいい歌はより深みがあるように聴こえる。それほど、歌にとって歌詞つまり言葉は重要な位置付けがされている。

 

初めて意識的に歌詞に注意をするようになったのは、恐らく中学生の頃だったと思う。当時はB’zやミスターチルドレンがミリオンヒットを数多く飛ばしていた時代で、CDが今よりはるかに売れていた。そんな中で僕も周りの友達もよく聴いていたアーティストが、WANDSだった。上杉昇のボーカルが特に格好良く、ノイジーなギターサウンドが特徴的で、ポップを内包したようなロックサウンドが当時はとても新鮮だった。WANDSは非常にハイペースにシングルをリリースしていて、僕たちは新譜が出るたびに食い入るように歌詞カードに目をやっていた。

 

WANDS特有の都会的で洗練された言葉たちが並ぶ中で、一際目立っていたのが「永遠(とわ)」という言葉だった。当時は「永遠」という言葉は「えいえん」という読みしか知らなかったので、「永遠(とわ)」という言葉自体とても新鮮だったが、もっと驚きだったのはWANDSの曲に何度となくこの言葉が多用されていた事だ。具体的には、代表曲の「世界が終わるまでは」や「愛を語るより口づけをかわそう」、「このまま君だけを奪い去りたい」に「永遠(とわ)」という言葉が使われている。もっと多くの曲に使われていたような記憶があるが、調べてみるとこの3曲だけだった。当時としてはそれがなぜかとてもインパクトのある言葉に感じられ、今でもWANDSを聞くと反射的にこの言葉が頭をよぎる。

 

このように、アーティストによってよく使われる歌詞は確かに存在すると思われる。例えば、中島みゆきの歌詞には女性でありながら主語に頻繁に「僕」という言葉が登場するようなイメージがある。最近の歌にはレミオロメンの「39日」や高橋優の「86日」のように、日付がタイトルになっている曲も数多くある。

 

また、定番なのは人名がタイトルになっている歌だ。古くは長渕剛の「順子」や甲斐バンドの「安奈」、最近だとミスターチルドレンの「くるみ」などがこれに当たる。人名がタイトルの歌が多く存在するのは、主語が具体性を持つ事で聞き手が感情移入しやすいという事があるのだと思う。

 

最近の歌の歌詞で特に気になっていることがある。それは、情感を感じさせる歌詞ではなく「物事のありのままをただ並べたような歌詞」が増えて来ていることだ。よく言えば、日常の中にある多くの人が共感しやすい言葉をうまくアレンジしていると言えなくもない。しかし、秋元康氏が作詞した※「川の流れのように」のような歌謡史に残る名曲に比べると、やはり見劣りがすると言わざるを得ない。見方を変えれば、それ程時代がめまぐるしく変化し続けていて、歌詞もそれに合わせるように変わっていっているという事なのだと思う。

 

「歌は世につれ、世は歌につれ」とはよく言われるが、歌詞もまた時代を映し出す鏡なのだと改めて思う。

 

投稿者:huwari

 

1997年、NHKが実施した人気投票「20世紀の日本人を感動させた歌」で、エントリーした19,824曲の中から栄えある「1位」に選ばれた名曲。

 

 

 

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